火吹き山の魔法使い【感想・レビュー】
【PC・SWITCH】
1980年代にブームとなったゲームブックをコンピューターゲーム化したもの。Steamで発売されたのち(英語版)、SWITCHでも発売された(日本語版)。
ストーリーや世界観は王道で非常によくある感じに思えるが、他の作品の世界観が原作のゲームブックの影響を受けたと考えるほうが正しいのだろう。
最初に選べるキャラクターは4人。
キャラクター毎に異なった背景やストーリー、能力や必殺技が用意されている。
ゲームブック同様に本をめくって読んで行くような感じでストーリーが進んでいく。
原作の挿絵もカラーで収録されている。
各所には分岐点や選択肢も多数用意されており…
プレイヤーの選択によって異なる結果が待ち受けている。中には選択肢ひとつで即死亡となる凶悪なイベントも。
ちなみに、オートセーブのみなので気に入らなくてもロードしてやり直すことはできない。
オッサンが急に少女のような言葉ではしゃぎだしたりなど、翻訳が多少おかしいのはご愛敬。
戦闘はマス目の上で戦うSRPGスタイルだが、敵味方全員が同時に行動するため、敵の動きを予測しながら戦わなければならない。
もし、お互いに攻撃がヒットした場合は技術の数値+サイコロの目で優劣を決定。
もちろん、敗北は死亡扱いとなる。なかなか難しいが、慣れれば面白い。
勝利すると「魂」や、場合によっては金貨やアイテムが手に入る。
入手した「魂」は新しいキャラクターをアンロックするために使うことができるぞ。
正直、最初は戦闘がつまらないゲームだと感じたが、敵のパターンを覚えたりしているうちに初めて戦うモンスターでも動きを予測できるようになって、楽しくなってきた。
キャラによって強弱の差が大きいのは否めないが…まあ、キャラの多いゲームなのでこれも作品の味と言える。
このゲームはマルチエンドになっており、クリアまでにいくつ鍵を集めたかによってエンディングが変化する。
鍵の位置や固有イベントはキャラによって違う。キャラクターの数はかなり多いのでリプレイ性は高い。
ある程度マップの構造やイベントの位置、内容を覚えてしまえばクリアするのは難しくない。
しかし、全ての鍵を入手して完全クリアを目指すならメモを取りながら何度もやり直す必要がある。
キャラを変えてもマップの内容の大部分は同じだし、リプレイ性が高いとはいえども飽きやすいのは否定できない。
途中セーブがあったほうが快適だったと思うが、ゲームバランスを損なう可能性が高そうなので、これはこれでいいのだろう。
個人的にはそこそこ楽しめたが、結構好き嫌いは分かれそうではある。
リプレイ性は高いが、同時に覚えゲーでもあり、めっちゃハマる人以外は遅かれ早かれ飽きるだろう。でも戦闘は慣れれば楽しいし、ゲームブックを気軽にいつでも遊べるのはいい感じだ。このゲームの戦闘システムを使ったRPGなどがあれば欲しい。
スコア:65点(100点中)判定:佳作
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あくまでも個人の感想なのであしからず。