ベアルファレス【感想・レビュー】
【PS】
ソニーより発売のアクションRPG。開発したZealsoftはすでに解散。
まず最初に主人公の性別や名前、身分(これにより使用する武器や好感度の初期値などが決定される)などを決める。
世界観や設定はかなりこだわって作り込まれている印象。登場人物に話しかければ詳しい説明を聞くことができるぞ。
街の中には隠しアイテムがあったり、意外な場所やタイミングでイベントが用意されていることもあるので、時折色々なところに行ってみるのもいいだろう。
優しい登場人物も多いが陰鬱とした部分もあり、和ゲーと洋ゲーの中間のような雰囲気の作品だ。
冒険に行く前に仲間を二人まで誘うことができる。エンディングを見たいお目当てのキャラは必ず誘っていこう(同性キャラとのエンディングもあり)。キャラの多い作品なので誰かしら気に入る人物はいると思う。
とりあえず1人は回復魔法が使える「サラ」か「ルカ」を連れて行ってポーション代を節約すると楽。
ダンジョンはステージ内のギミックや設置型のトラップを駆使して攻略していく、パズル的な作りになっている。
各キャラ毎に違う種類のトラップあるいは魔法を使用することができるので工夫しながら進んで行こう。中には意外な効果や使い道も…。
結構動きが早く、ノックバックして敵と敵をぶつけると大ダメージ(当然こちらも吹っ飛ばされてぶつかると大ダメージ)や、まとめて敵を倒すと入手金額やドロップ率が上がる要素などもあり、アクション性は高い。
慣れるまでは結構難しく、何度もやり直すことになると思うが、何回も挑戦しているうちにコツや攻略法を掴んで進めるようになる絶妙なバランス。
最初は無理だと思ったステージが頑張った結果クリアできるようになるのはとても気持ちいい。これはある種、ソウルライクにも通じるものがあるかもしれない。
問題点は序盤は装備があまり手に入らず、お金を貯める手段にも乏しいのでゲームバランス的に敷居が高いことか。クリアできないステージがある場合は最初のステージで回復アイテムを稼いだりしてなんとか頑張ろう。
後は武器によって強さに結構な差があるところも少し気になる。武器はそれぞれ特性があって面白いし、慣れればどの武器でもクリア可能だが、弓や槍など初心者が選ぶと辛い種類の武器もある。その場合は自分の使いやすい武器を持ったキャラを仲間に入れておけばよいので大きなマイナスにはならないとは思うが。
物語の大筋は一本道だが、時おり選択肢が出る場面も。仲間を助けるか見殺しにするかなどの重要な選択もある。
イベントがちょいちょい隠されていたり、イベントにあえて参加しないことで見れるイベントがあったり、貴重な装備を入手できる隠し部屋などのおまけ要素などがあって面白い。
登場するアイテムの中には敵のドロップでしか入手できないものもある。△ボタンでグラフィックと説明を見ることができるのでコレクションする楽しみもある。
ゲーム自体は初めてでも15時間程度、慣れれば数時間でクリアできる。エンディングがキャラの数だけあるので何度も周回するのが前提のボリュームかと思う。ちなみにスタートボタンで早送りが可能だ。
残念ながら引継ぎ要素はないが、それでも何回遊んでも面白い。周回するたびに自分がうまくなっているのが感じられるし、意外なところで新しい発見があったりする。
キャラクター毎にそれぞれエピローグ(個別エンド)が用意されている。内容は自分の目で確かめてほしい!!
このゲームの世界観でもっと長く遊べる長編RPGが出て欲しかった…。残念ながらデベロッパーはすでに解散しているので続編は望めない。
ゲームバランスは厳しめだがゲーム性とのバランスがとれているし、少し考えて少し努力すればクリアできるようになっているちょうどいい難しさだ。世界観は作り込まれていて興味深いし、キャラやストーリーも魅力がある。序盤のゲームバランス、武器の種類によって強さの差が激しい点などが気になる点ではあるが、個人的には初代PSの中でも最も面白いゲームの1つかと思う。アーカイブスで配信されてから発売当時より名前を聞くようにはなったが、隠れた良作と言っていいだろう。
スコア:86点(100点中)判定:良作
(↑アマゾン商品ページ)
あくまでも個人の感想なのであしからず。