かえるの絵本 〜なくした記憶を求めて〜【感想・レビュー】
【PS】
1999年10月にビクターインタラクティブより発売された初代プレイステーション用ゲームソフト。キャラクターデザインは高田明美さんという有名な方らしい。
主人公はドラゴンに呪いをかけられてかえるとなってしまった、記憶喪失の人物。魔法使いの力で1年間だけ人間の姿に戻り、自身にかけられた呪いを解く方法を探す、というストーリー。
主人公の性別は男女選択可能。
選んだ職業によって装備できる武具や覚えるスキル・魔法が変わってくる。どの職業を選んでもクリアは問題なく可能だが、ゲーム開始後は変えられないので注意。
普通のRPGと違うのは主人公の育成が戦闘でレベル上げをするのではなく、シミュレーション方式だということ。
仕事(お金がもらえるがパラメーターはあまり上がらない)と訓練(お金がいるがパラメーターは大きくアップする)を使い分けながら主人公を成長させていく。
戦闘で得られる経験値(100毎にパラメーターを1上げることができる)は、今作では補助的な役割だと言えるだろう。
街では買い物や依頼を受けたりできるほか、仲間キャラクターとの交流も可能だ。
キャラクターはどちらかというと女性が好みそうなデザインかな?個人的にはなかなか魅力的なキャラが多いと思う。
キャラクターによってイベントの多い少ないの差が大きいのは残念なところだ。
依頼を受けるかストーリーイベントが発生すると冒険パートへ。
フィールド上では各職業が持つ固有スキルを駆使して探索を行っていく。戦士系だと重いものをどかしたり、盗賊系だと解錠やジャンプ、魔術系だと火を消したりモンスターと話したりなどが可能。
スキルがなくてもクリアはできるようになっている場合がほとんどだが、スキルを使って進んだ先には宝箱があるので職業の系統が偏ったパーティー構成よりはバランスよく組んだほうがいい。
戦闘はコマンド選択式で、素早さが高いほどゲージの溜まる速度が高いので行動回数が増える…というよくあるタイプのものだが、何が悪いというわけでもないがあまりにも普通すぎるし、当時にしても時代遅れな内容で戦闘がつまらない。ひとつ言えるとしたら、テンポはあまり良くない。
ゲームバランス、システムともに特にプラスと言える点はない。大きなマイナスもないが、一度のエンカウントで出現する敵の数は最低でも4匹~5匹なので無駄に時間がかかって面倒なのはマイナス点か。
各クラスが覚えるスキルは違うが結局名前とエフェクトが違うだけで結局一緒だし、戦士系でも普通に回復技が使えるので職業ごとの違いがフィールドスキルとパラメーターの差異くらいしかないのも戦闘がつまらない要因だと思う。
職業毎に戦い方が大きく変わったり、転職や上位職・複合職にアップグレードなどの育成要素があればまだ面白かったかもしれないが…キャラクターの成長はシミュレーションパートがメインだし、このゲームの場合はマジで戦闘はただの作業でしかない。
店で売ってる装備は弱いものしかないため、冒険パートで「ロディタイト」と呼ばれる鉱石を集めて交換しないと装備が強化できない&パラメーターを上げるための訓練にお金がいるので、必然的に依頼はほぼ全て受け、ダンジョンはくまなく歩くというプレイを強制されるので戦闘回数はかなり多くなってくる。
エンカウントはそこそこ多いので冒険パートはかなり苦痛…戦闘のつまらなさがなかったとしてもダンジョンはどこも似たような背景の使いまわし、敵のグラも使いまわし、マップ構成も微妙なので褒めるところはないのだが。
ストーリーが進んだりイベントや依頼を解決すると絵本が本棚に追加されていくという要素があるのだが、すでに見たイベントが絵本になっているだけなので個人的にはいらないかな?
パッケージ裏面には手軽に何度も遊べるみたいなことが書いてあるが、周回するどころか1周するだけでも面倒。マルチエンディングで2周目以降は展開が変わるイベントやストーリーもあるようだが、絵本以外は引継ぎできないため何度も遊ぼうとは思えない。
冒険パートはアドベンチャー形式かゲームブック形式にしてパラメーターやスキルの有無で成否判定とかにしたほうがよかったんじゃなかろうか。
キャラの魅力だけが売りって感じなので例えば悠久幻想曲みたいにもっとキャラゲーの方向に振り切ったほうがよかった気がする。
キャラクターが魅力的なのは良い点だが、戦闘がつまらなさすぎる&冒険パートが面倒で無駄に時間がかかってテンポを悪くしているので周回するのがしんどい。一部のイベント以外はどのキャラを攻略していても見れるのもあって何度も遊ぼうとは思えないが、このゲームのキャラクターを猛烈に気に入った人にとっては良ゲーになりうるかもしれないと思うので、もっとキャラ毎のイベントをたくさん用意しておいてくれればよかったのだが。
スコア:52点(100点中)判定:凡ゲー
(↑アマゾン商品ページ)
あくまでも個人の感想なのであしからず。