ミスティックアーク【感想・レビュー】
【SFC】
1995年にエニックスから発売されたRPG。PSの同名のゲームと世界観を同じくする作品だが、ゲーム性は全く違うので注意。子供の頃に一度クリアしたゲームだが大人になった今、再度プレイしてレビューしてみようと思う。
主人公(名前・性別は選択可能)は別の世界から人形にされて神殿に連れてこられたが、 何者かの声により目を覚ます。
神殿の中には他の世界につながる扉がいくつも隠されている。
訪れることができる世界はバラエティ豊か。例えば猫の世界や…
巨大な果物の中に住んでいる人々の世界…
子供しかいない世界…
色や音が無くなってしまった世界…
おとぎ話の登場人物たちが住んでいる世界など、世界観は非常に面白い。それに何と言ってもBGMが素晴らしい。
どことなく寂しく、どことなく優しく、どことなく暗い雰囲気もかなり良い味を出している。
ミニゲームや隠し要素が多いのもこの作品の魅力の一つだ。
このゲームではアークという精霊のようなものをゲーム内のオブジェクトに使用することにより、新たな道が開けていく。
アークは装備品に宿すことによって性能を強化することも可能。たとえば「光のアーク」を剣に宿すと攻撃モーションと属性が雷に変化して攻撃力もアップする。
「力のアーク」と「知恵のアーク」はフィギュアに宿すことにより、フィギュアにされた人物を実体化してパーティーに加えることができる。
実体化できるキャラは魔法使いや僧侶、忍者や武闘家など様々。このゲームの前身的な作品である「エルナード」にも登場する「ラックス」もフィギュアにされた仲間の一人だ。
全てのアークを集めるため、様々な世界を旅しながら謎を解いていこう。
エンカウントはランダムではなく、画面左上のレーダーの白い点(主人公に近づくように動く)に接すると戦闘となる。
戦闘はシンプルなコマンド選択型。正直、戦闘は地味ではある。でも決してつまらなくはない。行動する順番をプレイヤーが選択できるので戦略性もある。
オートにした際のAIを細かく設定できるのはこの当時では珍しい気もする。
敵をフィギュアに変え、アイテムと交換したり闘技場で戦わせて銀貨を稼いだりといった要素も。
序盤は敵が弱いので他のゲームに比べるとザコ戦の面倒くささは多少マシなほうだと感じた。しかし、敵が強くなる中盤以降はやはりダルくはなってしまう。エンカウントが多いし、出現する敵も多くなってくる。
ダンジョンの内部はただ進むだけではなく、様々な仕掛けが用意されているところが多いので面白いが、エンカウントが多くて探索に集中できないことが多いのが残念。
後半は攻撃が外れることも多くなるので1回の戦闘が長くなり、消耗も大きいのでしんどい。しっかりレベル上げをするか、敵のフィギュアを集めてドーピングアイテムで能力をアップしないと終盤は結構つらい。
仲間が死亡するとフィギュアが神殿に戻ってしまうため、取りに帰らないといけないのはかなり面倒。そのため即死魔法の存在はかなり脅威である(主人公が死亡した場合はお金が半分になる)。
謎解きに関しても攻略を見ないと非常に分かりづらかったり、かなり面倒な部分があるのもマイナス点。特に見えない壁がある部屋で見えない階段を探して進むダンジョンはマジメにやっていたら気が狂いそうになる(見えている階段は偽物)。
良い意味でも悪い意味でもクラシックな日本のRPGって感じかな。でも個性はしっかりあると思うので合う人はかなり気に入るだろう。
世界観と音楽が素晴らしい。戦闘は地味でバランスもあと一歩だがつまらなくはない。個人的にはかなり好きなゲームなので良作と言いたいところだが、客観的に判断すると良作と言い切るには未熟な部分やあまりにも不親切で面倒なところが結構あるので佳作という評価にした。クラシックなRPGが好きな人にはぜひ遊んでみてほしいが、古いゲームはちょっと…という人には合わないかもしれない。
スコア:69点(100点中)判定:佳作
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あくまでも個人の感想なのであしからず。