FLOWERS 冬篇(FLOWERS 四季)【感想・レビュー】
【PS4・Switch】
全4部構成の百合ミステリーアドベンチャー第4部にして最終章。春篇~秋篇の直接の続きとなる。今回も4作がまとめて入っているFLOWERS 四季をプレイ。
学園は冬休みを迎え、主人公は再び春篇の「白羽蘇芳」に。冬篇ではついに今まで張られていた伏線が回収されていく。最終章ということでネタバレを含む箇所があるが、ご容赦を。
「蘇芳」の恋人であった「マユリ」は春の終わりに何も言わずに学園を去ってしまった。彼女はなぜ突然学園を辞めてしまったのか?
真相を究明し、彼女を助けるために「蘇芳」は夏・秋と密かに奔走していた。そして情報を手に入れるため、ついにニカイアの会の会長(生徒会長のようなもの)まで登り詰める。
開発時間に余裕があったのか、今まで顔がなかった脇役にもちゃんと絵がついたぞ!
今回も朗読会やら演劇界やらのイベントが用意されている。しかし、冬篇ではイベントの度にメインの物語が停滞してしまっていたので蛇足だったような気もする。
ネタバレ回避のためにあまり詳しくは述べられないが…読み物としてはそこそこって感じかな。ワクワク・ドキドキする場面はあるが、なんというかオチの付け方がしっくりはまり込んだ感じがしないし、めっちゃ面白いというわけではない。
まあ主人公の成長と友情物語だけであればこれでバッチリなんだけど、ミステリーの部分が説明不足で中途半端なんだよねぇ。
今回は映画関連のネタは大幅増量って感じで大量にぶっこんでくる。個人的にはスパイスというには濃すぎて胸焼けしてしまった。こういうのは1つだけに絞ったほうが効果的だと思うのだが…
まあこういうのもこの作品の持ち味なのだろう。でも好みは結構分かれそうだ。個人的には、もうお腹いっぱい。
今回は究明編的な感じだが、百合ゲームとしてドキドキするシーンはきちんと用意されている。サービスシーンもちゃんとあるぞ。
あら^~
いいですわゾ^~これ
キ、キマシタワー!!
推理ゲームとしてはシリーズを重ねる毎に少しずつ改善していっていたが、残念ながら冬篇は情報不足の総当たりゲームに逆戻りしてしまった。
作品内では「蘇芳」は僅かな手掛かりから事件の全貌を明らかにすることができるどこぞの名探偵のような人物として描かれているが…ほとんどのプレイヤーは普通の人なんでね…
選択肢を選ぶ前にきちんと情報提供してくれないと分からないよ!もう完結してしまった作品だから今更言っても遅いだろうけど!
これは小説やアニメではなくゲームなので…評価を下げざるを得ない。まあ百合ゲームとしてはある程度満足できると思う。推理ゲームとしては全くオススメしない。
選択肢を選んだ瞬間に正否が分かるシステムは…もう慣れた。どう考えても重要ではない選択肢ですら全てに正否判定があるのは意味が分からないが…この作品に関してはもうゲーム性を求めないで声の出る小説だと思うのが一番だろう。
「蘇芳」は「マユリ」を取り戻すことができるのか?この先は君の目で確かめてくれ!
春篇から通してやってきたFLOWERS四季のレビューはこれでおしまい。全体を見ると材料は良いが味付けが偏った料理という印象かな。
冬篇では今まであちこちに張られていた伏線が回収されている…が、どうもオチがしっくり来ないというか…なんとなく宙ぶらりんな感じ。百合ゲーとしてはドキドキできる場面はあるが、推理ゲームとしてはまた名探偵専用になってしまったので常人は総当たりするしかない。絵やキャラクターは魅力的で機能面も優秀だが、推理部分が大きく足を引っ張っているのでゲームとしてはあまり高い評価はできない。ゲーム性には期待せずに声付きビジュアルノベルだと割り切って楽しむのがベストな遊び方だろう。
スコア:60点(100点中)判定:凡ゲー
(↑アマゾン商品ページ)
あくまでも個人の感想なのであしからず。