TRICK×LOGIC Season2【感想・レビュー】
【PSP】
有名な作家陣がライターとして、芸能人が声優として参加しているロジックをテーマにした推理ゲーム。シーズン2は5~10話まで収録されている。申し訳ないがゲームの内容上、どうしてもネタバレを含む個所があるので注意してほしい。また、ゲームのシステムがシーズン1と全く同じなので記事内の説明文にも全く同じ個所があるがご了承願う。
主人公は前作から引き続いて検事の「芳川いつき」。他の登場人物もおなじみのメンバーだ。前にも言ったが、声を当ててる人が下手で雰囲気ぶち壊し。特に主人公は超がつく棒読みだ。ヤマ役のデーモン閣下はばっちりハマっているのだが。
ゲームのシステムは事件のシナリオを読んで問いに答えることにより推理を完成させるというものだが、その問いの答えとなるヒラメキを入手するために、まず文章の中のキーワードを抜き出して「推理」する。
そうするとヒラメキのもととなるナゾが手に入る。キーワードの中には1つでも推理が可能ものと2つ組み合わせて意味をなすもの、そして「推理」しても全く無意味なキーワードの3種類に分かれる。
手に入ったナゾと対応するキーワードを組み合わせて「推理」することで、答えとなるヒラメキが生まれる。もちろんナゾやヒラメキの中にも無意味なものや事件の真相とは関係のない偽の答えも含まれているのでプレイヤーの思考力が試されるところだ。
問いの答えをすべて埋めたら、検証開始。正しく答えを埋めることが出来ていたら事件がロジックでつながり、トリックが明かされる。もし間違った部分があれば検証が途中でストップしてしまうので答えや事件を見直して再チャレンジしよう。
シーズン1でも分かりづらいキーワードやナゾの組み合わせがあったが、シーズン2では分かりづらい、論理的にちょっと首をかしげるような組み合わせがかなり増えた印象で、本来のあるべき形とは違う形で難易度がアップしている。
さらには問3の答えが合っていて問1の答えが間違っている時に、問3の答えの検証中に「もう一度見直してみよう」と言われることなどがあり、それもこのゲームをさらに無意味な方向に難解にしている。
それでもネタバレ&評価が下がるのを覚悟でヒントを見ればなんとかなる…と思いきや、今作ではヒントに嘘が書いてある場合があり、これではもうどうしようもない。
前作でもそうだったが、やはりシナリオによって面白さや分かりにくさ、内容に納得できるかどうかが大きく変わってくる。
他のトリックが使われたり他の人が犯人である可能性をきちんと否定できていないシナリオは当然ながら不必要に難しくなっている(ライターの考えた真相以外の犯人やトリックでも論理を組み立てることができるのだから当たり前である)。
ひねったシナリオを考えるのは推理作家としては当然なんだろうと思うが、一部のシナリオはひねりすぎてもうただの屁理屈、なぞなぞになってしまっているし、何よりも「他の人が犯人説」を否定出来ていないのが一番の問題だ。
これがドラマや映画ならいいのだが、「ゲームとしてプレイヤーに解かせる」ということをもっと考えてほしかった。
10話が最後ということで主人公の抱えていた問題にもケリがつくのだが、終わり方があっさりというか…かなりテキトー。竜頭蛇尾とはまさにこのゲームのためにあるような言葉だ。せめて広げた風呂敷くらいは綺麗にたたんでくれよな!
アイデア、コンセプトは良いがナゾ、ヒラメキ探しにおいて論理的にちょっとおかしい組み合わせが必要なものがシーズン2では増えたため、納得いかないと感じるシーンが増えた。ヒントを見れば何とかなるならまだいいが、今作ではヒント自体が間違えていることがあるので全てのキーワードを総当たりするか攻略サイトを見るしかない。面白いシナリオは普通に面白いのだが、論理的におかしいシナリオはもっと見直しが必要だっただろう。そして最後くらいはキッチリ締めて欲しかった。あと、前作でも言ったが声を当ててる人が下手な人が多いので芸能人ではなく本職の声優さんを使ってほしかった。
スコア:54点(100点中)判定:凡ゲー
(↑アマゾン商品ページ)
あくまでも個人の感想なのであしからず。