FLOWERS 春篇(FLOWERS 四季)【感想・レビュー】
【PS4・Switch】
百合ミステリーというちょっと変わったジャンルのアドベンチャーゲーム。全4部構成の第1部。今回プレイしたのは春・夏・秋・冬が1本にまとめられたFLOWERS四季に収録されているもの。
友達のいない主人公が寮生の女子高に入学して…という良い言い方をすれば王道、悪い言い方をすればありがちな設定。
出会う人出会う人に美人と言われ、美人に会うたびに惹かれていく様は百合ゲー界のクソゲー女王「ストロベリー・パニック!」を思い出す。
さすがにあそこまで酷くはないが、百合作品に馴染みのないプレイヤーは展開にちょっと戸惑ってしまうだろう。
グラフィックは美しい。鉛筆で描かれたような繊細な感じのキャラ絵はかなり良い感じだ。
キャラクターは王道って感じの設定の人物が多いが、好感が持てるキャラも多く…と思いきや性格の悪い部分もあったりして面白い。
ストーリーは掴みが弱く、主人公の性格がネガティブなのもあり、最初の2~3時間は読むのが少し苦痛に感じた。面白くなってくるまでに時間がかかるかな。
しばらく読んでいくとドキドキするシーンやサービスシーンもあって百合ファンなら楽しめる内容だと思う。
あら^~
いいですわゾ^~これ
キ、キマシタワー!!
ただし、純粋に読み物として考えると…ストーリーの大筋は決して悪くはないが、百合に興味がない人にはオススメしづらいかも。
システム部分は優秀。ボタン一つで早送りや自動送りはもちろん、巻き戻しや選択肢までジャンプもできる。お気に入りのセリフのボイスを登録しておいていつでも聴くことができる「ボイスコレクション」機能も搭載。
ミステリー部分は学園内のちょっとした事件を解決していく的な感じなので、本格サスペンスや猟奇的なものを期待すると肩透かしを食らうだろう。
推理に関しては、文章を読んでいても全く分からない…というか知っておかないとどうしようもない問題も多い。よほど様々な分野の本を読んでいる人やクイズ王でもないと意味不明だろう。
内容的にはアニメだったら面白いだろうとは思うが、これはゲームなのでプレイヤーがきちんとわかるようにしておかなければならないだろう。選択肢を選び終わった後に情報提供されても…って感じで知らない人はどうしようもなく、推理もクソもない。
こういうと本末転倒なのだが、推理部分がいらないかも。声の出る漫画だという認識でプレイすれば百合作品としてはドキドキ・ワクワクがあって楽しめる。
まあしかし正直なところ、ちょっと好みが分かれそうな内容。古典文学やクラシック映画が好きな人なら楽しめそうだが、そうでない人にはよく分からない場面が多々ある。説明不足な点が多くてプレイヤーを置いてけぼりにしてしまっている感じだ。
メインのシナリオはうまく選択肢を選んでおかないと夏篇に進むことはできないが、話の内容だけでは何が悪いのか内容的には意味が全くわからない。選択の際にメッセージウインドウ右上の花を見ていれば分かる仕様だが、内容を読まなくても選択した瞬間に正否が分かるというのはゲームとしては面白くない。あとは2人のヒロインのうち1人は初回では攻略できないという仕様もどうかと思う(プレイヤーはそんなこと知らされていないし)。
春篇のレビューはこんなところか。季節ごとに夏篇~秋篇~冬篇とレビューを公開していく予定。
キャラクターは個性豊かで可愛く、グラフィックも美しい。設定はありがちだが王道とも言えるので評価が難しいところだけど決して悪くはない。システム部分は優秀で遊びやすい。しかしミステリーとしては雑学王以外はお断りな感じで総当たりかネットで調べるしかないため、推理ゲームとしてはダメダメ。アニメや漫画を見る感覚で割り切ってプレイすれば…サービスシーンもあるし、百合が好きな人はドキドキ・ワクワクできる場面も多い。それでもやはりプレイヤーを置き去りにしていく内容を考えると百合ファン以外にはオススメできない。春篇をプレイした時点での評価は凡ゲーと言わざるを得ない。
スコア:56点(100点中)判定:凡ゲー
(↑アマゾン商品ページ)
P.S.
百合ミステリーと言えば「サフィズムの舷窓」というアダルトゲームがなかなか面白かったが、ここでは紹介できないので興味のある大人は自分で調べてほしい(18歳未満の人はダメだぞ!)
あくまでも個人の感想なのであしからず。