Detroit: Become Human【感想・レビュー】
【PS4・PC】
Heavy RainやBeyond Two Soulsなどのアドベンチャーゲームを手掛けてきたフランスのQuantic Dreamの最新作。
今作の主人公は3人のアンドロイドたち。1人目は最新モデルのプロトタイプで捜査官として警察に派遣された「コナー」。
2人目はとある家庭で家政婦として働く「カーラ」。
3人目は裕福な老人の介護をする「マーカス」。
グラフィックは非常に美麗。特に人物は表情も細部まで作り込まれていて実写と見間違うほどのレベルだ。
世界観はあくまで架空とはいえ、数十年後の未来に実際にありそうと思わせるリアルさがあって引き込まれる。
ストーリーが非常に面白く、良質な映画や小説に触れた時のようにとにかく先が気になって仕方がない。
登場人物も皆それぞれ個性があって魅力的。演出が良いのも相まって、ついつい感情移入してしまう。
基本的にゲームとしてはシンプル。小さなマップ内を探索してタスクをこなしたり、、選択肢を選んだり、画面の指示に従ってコントローラーを操作する(QTE)だけの単純なものだ。
探索中に得た情報やアイテムには行動の選択肢が増やしてくれるものもある。時には強盗や窃盗、殺人などの選択肢が現れることも…
選んだ選択肢によってストーリーが変化し、他の登場人物との友好関係やアンドロイドに対する世論にも影響する。選択によっては新たなストーリー分岐がアンロックされる。
物語にはたくさんの分岐が用意されており、場合によっては主人公や重要人物の生死を左右する場合も。各主人公がどの道を進み、最終的にどのような結末を迎えるかもプレイヤー次第だ。
もし選択の結果が気に入らない場合も1度クリアしたチャプターであれば好きなチェックポイントからやり直しができるので安心。
QTEの多い作品は即死イベント連発で何度も同じシーンのやり直しになってイライラするものも多いが、このゲームは戦闘もある程度は失敗しても大丈夫なのでストレスになるような場面はなかった。
QTE自体も、体感的にそれなりに納得のいく内容なのでそこそこ没入感もある。それでも面倒な人は難易度をカジュアルに設定すればストーリーに集中することができるぞ。
作品の性質上、5:5=映画:ゲーム…いや、7割映画で3割ゲームくらいの割合かな。故にゲーム性はどうしても低めだと言うしかないが、ストーリーが素晴らしく分岐も多いので気にせず楽しめた。
悪い点を探せと言われれば…ゲーム終盤は1章が長い割にチェックポイントも少ないにも関わらず、選択肢1つで死亡もあり得るので間違えるとやり直しが面倒というところ。それでも即死QTE連発ゲームに比べたらマシだ。
どうしても気に入らない点が1つだけある。ルートによってはエンディング直前でとあるイベントが挿入されるのだが…視界の悪い中、短い時間でどこにあるか分からないモノを探さないといけないが、最初に進む方向を間違えると挽回不可で失敗すると後味の悪い終わり方になり、直前からのリスタートは不可というものだ。
それだけはどうしてもマイナス評価にしなければならない要素だと思うが、その他
に関してはプラスにはしてもマイナスにするような部分はほぼなく、全体的なクオリティが高くてゲームとしてもかなり面白いので何週も楽しむことができる。間違いなく「名作」レベルの作品だろう。
世界観、ストーリー、登場人物、演出、全てが非常にハイレベル。私は映画寄りな作品やQTEが多いゲームはあまり楽しめないことがほとんどなのだが、これに関しては非常に楽しめた。このゲームは数年に一度しか出てこないレベルの”特別な作品”といっていいだろう。普段ゲームを遊ばない人にもオススメだし、この類のゲームを毛嫌いしている人も一度は試してみる価値はあると思う。
スコア:91点(100点中)判定:名作
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あくまでも個人の感想なのであしからず。