Pillars of Eternity【感想・レビュー】
【PC】
Fallout New Vegasや最近ではThe Outer Worlds（アウター・ワールド）が記憶に新しいObsidian EntertainmentによるＰＣ向け本格派ＲＰＧ。海外では家庭用にも移植されているようだが、日本ではこういう地味なジャンルは厳しいだろうなぁ…。ＰＣ版も公式ではローカライズされていないが、有志による非公式日本語化パッチがハイクオリティなので安心してプレイできるぞ。
※記事内のスクショは日本語化パッチおよび改行ＭＯＤを導入した状態のものです
洋ゲーらしく主人公のキャラクターメイキングはなかなか凝っている。
能力やクラスはもちろんのこと、種族やバックグラウンドから出身文化圏までキャラの設定を細かく設定できる。
見た感じバルダーズゲートそっくりだが、基本的な部分はそのまんまだと思ってもいいかもしれない。昔ながらのパソコン向けＲＰＧと言った感じ。
仲間になるキャラは皆個性的で、それぞれに一連のクエストが用意されている。最近ではパーティーメンバーとの恋愛要素がある洋ゲーも多くなったが、今作ではロマンスがないのは残念。
自由なパーティー構成で遊びたい人は宿屋で傭兵を雇えば自分でキャラメイクできるので、作成したキャラだけでパーティを組むというウィザードリィ的な遊び方もできるぞ。
クエストやイベントの解決方法が複数用意されているのも洋ゲーならでは。
プレイヤーの選択が主人公の評判や各勢力との関係にも影響していき、それによって選択肢が増減するのも面白い。
ダンジョンもバラエティに富んでおり、ユニーク装備や隠し要素なども豊富に用意されているので探索にも楽しさがある。
隠しアイテムや罠を見つけるために常にステルスモードにしておくのがデフォルトな仕様はちょっと煩わしいが…ゲームスピードはワンボタンで変更できるのでまあ我慢はできる。
戦闘もバルダーズゲートなどのＤ＆ＤベースのＲＰＧそのままの画面だが、今作はターンベースではなくほぼＲＴＳと言ってもいいだろう。リアルタイムで動く各キャラクターに指示を出して（あるいはＡＩを設定して）戦っていく。
ゲームバランスや仕様もかなりマイルドに遊びやすく調整されているので初心者でも普通にクリアできるだろう。もちろん戦略性の高いチャレンジングな戦闘を望む人も難易度を上げればしっかり楽しめるはずだ。
気になったのは２点ほど。まずＡＩの設定項目がごくごく簡単なものしかないということ。超高難易度にでもしない限りは常に全員を自分で操作するのは面倒。もうちょっとなんとかしてほしかったところ。
もう一点はストーリーテリングがあまりうまくないこと。物語自体は良いのだが、世界観や背景についてくどくどと説明口調で語られるシーンが多いので日本語でもちょっとうんざりする場面も。少なくとも人によってかなり好き嫌いが分かれそうではある。
まあしかし本編のストーリー以外にも城主となって領地を運営したり…
装備を自分好みに改造する要素や…
大規模な戦争イベントなどもあり、なかなかワクワクする内容だぞ。
これぞＲＰＧといった感じの本格派な作品。バルダーズゲートやディヴィニティオリジナルシンなどと比べると無難過ぎて物足りない部分はあるが、全体的によくまとまっており普通に良作のレベルにある作品だと思う。この手のＲＰＧにしては遊びやすいシステムとバランスに調整されているので入門用にもオススメだ。公式に日本向けローカライズがされていないので日本語での家庭用への移植が絶望的なのが残念。
スコア：８２点（１００点中）判定：良作
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あくまでも個人の感想なのであしからず。
