Commandos2 HD Remaster【感想・レビュー】
【SWITCH】
かつて世界中のPCゲーマーを熱狂させた名作のHDリマスター。その人気は現在でもコマンドスライクと呼ばれるジャンルのゲームが制作されて好評を博しているほどだ(例:Shadow Tactics、Desperados3など)。STEAMでも販売されているが、今回プレイしたのはスイッチのパッケージ版。
変装が可能なスパイ、動きが早くピッキングが得意なシーフ、狙撃で静かに敵を倒すスナイパー、爆発物を扱う工兵など能力や特技の異なる隊員たちを切り替えながら操作して与えられた目標を達成していくというゲーム内容。
変装したスパイで兵士の気を引いておき後ろから他のキャラがノックアウトして縛り上げたり、睡眠薬入りワインで一人を眠らせておいてもう一人の見張りを投げナイフで静かに倒すなど、連携&ステルス行動が攻略のキモだ。
第二次世界大戦が舞台のゲームで洋ゲーだとヨーロッパ戦線のみのものが多いが、このゲームではステージの半分くらいはアジアでのミッションで、中には日本の空母である信濃に乗り込むといった任務もある。
分厚いマニュアルを熟読&参照しながらプレイするのが当たり前の時代のPCゲームのため、ゲーム内ではルールや仕様に関する説明が圧倒的に不足していてかなり不親切。しかしスイッチ版ではパッケージ版でもマニュアルは付属してないため、かなり困ることが多い。
例えば女スパイが最初に着ていた服だとその建物内&隣の建物では怪しまれないが、持っている服に着替えると撃たれる。しかし外と他の建物では最初の服では撃たれて着替えると撃たれない…そのあたりの理由がなぜなのかルールの説明が全くないので自分で手探りで把握していくしかない。
ミッションの達成条件も分かりづらい場合があり、「全員が同じ部屋にいる状態で通信機を使わないといけない」などといった場合もミッション目標には「通信機を使う」としか書いていないので、なぜ通信機が反応しないのか、バグなのか、何か条件があるのかなどが分からなかった(海外のフォーラムでも質問している人や同じ状況で困っている人が何人もいた)。
それでも慣れてくると自分なりにゲームのルールを把握して攻略法を見つけられるようになるので(それまではかなり難しいが)説明不足なのは自力である程度なんとかなるのだが、それよりももっと大きな問題なのがバグの多さだ。
扉や窓をのぞき込んだら身動きがとれなくなる、武器を構えるとキャラがツルーっと滑っていき敵に見つかる、武器を構えても照準が敵に合わずに一方的に殺される、落ちている無限バグアイテムを拾ってしまうと所持品内の同じアイテムが使用不可になる、気球に乗ると二度と降りられなくなるなど、数えだすときりがないほどのバグがてんこ盛り。
戦車を強奪することが可能なミッションもあるが、開発者がボタンの設定ミスを放置しているため運転はできても機銃や砲を使うことができない。これではただの車である。ここまでバグが多いと怒りを通り越して馬鹿馬鹿しくなってくる。
一番腹立たしいのはエラーが発生してゲームが終了する現象が頻発して何度もやり直しになってしまうということ。セーブしようとしてエラー落ちすることもあるため非常にたちが悪い(エラー画面は撮影できなかったので適当な画像です)。
慣れてくるとそこまで難しいわけでもなく、確かにゲームとしての楽しさも感じるし、なんとかクリアはできるのだが、いくらなんでもこのバグの多さはひどすぎる。
シンプルながらゲームとして面白いのは間違いなく、かつて世界中のPCゲーマーが熱中したのも頷けるが、あまりにもバグが多すぎる。説明書がないにもかかわらずゲーム内での説明が不足している点が多いのも問題。バグがあらかた修正される&チュートリアルが追加されて説明不足を補うことができれば間違いなく良作になるが、望み薄だろう。洋ゲーのローカライズ版ではよくあることがだが、日本語版のバージョンは海外よりも遅れたままだし。
スコア:49点(100点中)判定:ダメゲー
(↑アマゾン商品ページ)
あくまでも個人の感想なのであしからず。