へっぽこうるたろーのゲームスコア

ゲームの感想置き場です。3月より毎週土曜日0時更新となります。

Ghost of Tsushima【感想・レビュー】

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【PS4】

怪盗フライ・クーパーやインファマスを開発した米国のサッカーパンチプロダクションズによる和風アクションRPG。日本はもちろん、世界中で売れまくっているのでゲームで遊ばない人でも名前を聞いたことがあるかもしれない。

 

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舞台となるのは元朝モンゴル帝国)によって侵攻を受けた対馬長崎県)。

 

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主人公である「境井仁」は叔父の「志村」と共に蒙古軍に突撃を敢行するも…

 

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あえなく破れ、武士の軍勢は全滅という結果に。

 

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盗賊の「ゆな」によって命を助けられた「仁」は冥府から蘇った「冥人(くろうど)」として蒙古と戦っていく。

 

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ストーリーはとても素晴らしい。特に最後の場面では何かしら感じるものが必ずあるだろう。

 

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人の表情や顔の細かな動きの作り込みにかなりのこだわりを感じた。このゲームの登場人物にはいわゆる美形は存在しないが、問題なく物語に引き込まれるしキャラに愛着も沸く。

 

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日本のデベロッパーのゲームのようにイケメンや美女(あるいは芸能人)が多数登場する作品もそれはそれで魅力があると思うが、リアル志向の作品の場合はキャラの容姿もリアルなほうが断然良いと思う。

 

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私は専門家ではないので時代考証云々については分からないが、少なくともゲーム内で当時の日本を訪れているという感覚はちゃんとある。

 

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主人公の「境井 仁(さかい じん)」に関しても「じん」ではなく「ひとし」が本名なのだが、当時は親や主君以外が武士の本名を呼ぶことは不自然なので通称の「じん」と呼ばれているということらしい。設定一つ見てもかなりこだわって製作されているのが分かる。

 

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オープンワールドによくある移動経路の表示はなく、目的地までは風の流れを追って移動、近くの未発見ポイントへは鳥が案内してくれるなど雰囲気を壊さないように画面上の表示を極力少なくするように設計されている。これはなかなか面白いアイデアである。

 

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しかし正直、どちらかといえば移動がめんどくさいゲームの部類に入るかと思う。ファストトラベルのロード時間がビックリするほど短いのですでに訪れた場所に行くのはかなり楽だが、山や崖が多いので未到達の場所に行くのは少しダルい。

 

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カメラモードはこのゲームの魅力の一つ。イベント中以外は戦闘中でもボタンひとつでカメラモードに移行することができる。ビジュアルや雰囲気が最高なので良い感じの写真がバンバン撮れるぞ。

 

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マジでどこで写真撮っても良い感じの絵になる。スクショを撮るのが好きな人には最高だろう。

 

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ストーリーやクエストに関してはプレイヤーが選択する余地はない等しく、ほぼ全て1本道。指示されたところに行って人と話して、また別のところに行かされて敵の集団と戦闘というパターンばかりなのでよくあるゲームって感じだし、単調なのは否定できない。

 

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メイン以外の個人のストーリーも面白く、伝説の装備や技を取得できるクエストなどもあるが、内容自体は単調で集団戦闘が多いため面倒くさいという気持ちが勝ってしまい、全てやろうという気にはなれなかった。

 

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戦闘は早い弱攻撃とガードゲージを削ることができる強攻撃を使い分けながら戦う。敵の攻撃を直前でガードすれば敵の体制を崩すことができるぞ。

 

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赤い光はガードできない攻撃なので回避しよう。青い光は攻撃を弾いて敵の体制を大きく崩すチャンス。最初は少し難しく感じるかもしれないが、慣れてくれば蒙古の集団をノーダメージで倒すこともできるようになる。

 

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敵は攻撃時以外はほぼ常にガード状態なので、敵の持っている武器に応じて4つの「型」を切り替えることにより、敵のガードを崩して戦うことで有利になるというシステム。しかしモーションの出来が今一つなものが多いのが難点。

 

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通常の武器である刀以外にも弓や暗具(くないや爆弾など)を使用して戦うこともできる。選択中もゲームが停止しないために戦闘中の切り替えが難しいのは改善してほしい。

 

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バランス的には1~2発の被弾ですぐ瀕死になるので一瞬でピンチになる感じ。特に集団戦だと同時に攻撃されるとあっと言う間に瀕死になるので回復を連打する羽目になることもしばしば。

 

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おそらく「蒙古は強く、数も多い」という設定に忠実にしたのだろう。ステルスキルや暗具を駆使して戦わないといけないのだが…強制的に集団戦になる場面が多いので仕様やバランスと内容がちぐはぐな印象を受けた。

 

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武器や防具を鍛えて技を覚えていけば有利に戦えるようになるが、主人公や装備が貧弱な序盤はかなりしんどいし、先に進めば敵の攻撃力&防御力が上がる中盤もダルい。暗具も強すぎる気がするし、ゲームバランスは楽しいと感じるには今一つだと感じた。

 

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それでも死んだらすぐ直前からやり直しできる仕様だし、回復さえしていればそんなに頻繁に死ぬわけでもないのでゲームとしてはカジュアルなほうだと思う。

 

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開発者の意図とは違ってバッタバッタと次々に敵をなで斬りにしていく感じではないが、剣戟システム自体は悪くない出来だとは思う。しかし戦闘の面白さや遊びやすさの点ではマイナスポイントも多い。ロックオンが不可能なので自分が思っている方向と違うところに攻撃や回避をしてしまうことが多々ある。

 

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カメラワーク・視点が悪く、さらに画面に表示するものを極力少なくした結果、画面の外や障害物の影にいる敵に攻撃されてダメージを受けてしまうことも多い。

 

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ただし、1対1のボス戦の剣戟は緊張感もあるし、覚えた技や自身のテクニックを駆使して戦う感じで楽しい(バランス的に納得がいかない部分はあるが)。集団戦では上記のマイナスポイントからこの面白さが殺されてしまっているのが残念だ。

 

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ストーリー、ビジュアルや演出、舞台の作り込みなどの映画的な部分は間違いなくトップレベルのものだが、ゲーム部分は特別に出来が良いわけではない。

 

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メインクエスト、サブクエスト共に同じような内容ばかり。会話→移動→集団戦のパターンを繰り返すだけなのでストーリーや雰囲気に魅力を感じなかった場合はすぐに飽きてしまうかも。

 

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優れている部分とそうでもない部分のギャップが激しいので実は好みが分かれそう。物語や演出、世界観やビジュアルは和風ゲームの中で最高傑作のひとつであろう。

 

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しかし単純にゲーム部分だけを比べると、似たようなオープンワールドの作品なら例えばアサシンクリードオデッセイなどのほうがゲームとしてはよくまとまっていると思う。

 

日本についてかなり研究されて製作されたのが分かるし、演出もかなりこだわられていて素晴らしい出来だ。しかし、それがゲームとしての面白さに繋がるかどうかは人それぞれだろう。ストーリーや演出、世界観の作り込みなど映画的な部分は名作レベルだが、ゲーム部分は平凡で単調。間をとって佳作という判定とした。良いゲームだと思うが合わない人も結構いそうだし、このレビューが参考になれば幸いである。

スコア:75点(100点中)判定:佳作

【PS4】Ghost of Tsushima (ゴースト オブ ツシマ)

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  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: Video Game
 

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あくまでも個人の感想なのであしからず。

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