死印【感想・レビュー】
【PS4・Switch・VITA】
ダンジョンRPGを製作してきたエクスペリエンス(チームムラマサ)によるホラーアドベンチャーゲーム。Generation XTHなんかは元々ホラーっぽいストーリーや雰囲気だったので、下地はあったのかも。今回プレイしたのはVITA版。
※グロいシーンがあるので、苦手な人はここでそっと閉じてほしい!!
90年代風の女子高生たちが何やら噂話を…
教師の一人が腕一本だけを残して消えてしまったらしい…普通に大事件だよ!!ともかく、体に犬の歯形のような印を刻まれた人間は異様な死にざまを迎えるとか…
そして主人公であるこの男の腕にもその「シルシ」が…
死を回避するには自分に「シルシ」をつけた怪異を消滅させなければならないらしい。
他の印人(シルシをつけられた人)と共に怪異の噂となっている現場を調査することに。
調査マップではダンジョンRPGのようにマップ内を移動して探索することができる。
雰囲気はゾクゾクするものがあり、演出もなかなか良い感じだ。
スティックで懐中電灯を動かして怪しい場所を調査してアイテムや情報を入手していく。
非常にシンプルな内容で自由度はないが、雰囲気が良いのもあってワクワク感はある。
ただ、いちいち「〇〇へ移動した」という表示とウェイトが入るため、テンポが悪くてちょっとストレス。これでもアップデート改善されたらしいが。
怪異は「シミ男」だとか「くちゃら花嫁」だとか「ずう先生」だとかコントの題名のようなしまりのないネーミングが多い独特のセンスなので、好き嫌いはありそう。
サービスシーン(?)がちょくちょくあるのだが、ちょっと無理やり入れた感があって賛否両論かも。ホラー映画だとそういう要素はお約束とも言えるが、このゲームに関しては無かったほうがよかった気がする。
グロ系もそこそこあるので、苦手は人は注意!!
怪異との戦闘では探索で集めたアイテムと情報を駆使して戦っていく。正しいタイミングで正しいアイテムを使用することにより怪異を弱らせ、最終的に撃退することが可能となる。
怪異との戦いは1手間違えると終わり。失敗→即死→やり直しのコンボが頻発するため、気持ち的にしんどい。
各エピソードにはそれぞれ全員生還のグッドエンドと仲間の誰かが死亡してしまうバッドエンドが用意されているが、怪異をどのようにして倒すかによって分岐する。グッドエンドの分岐条件は分かりづらいものもあるので何度かやり直しも必要になってくるだろう。
ソフトをアップデートすればL1ボタンでスキップが可能だが(PS4版とSwich版では初めから実装)、画面上の表示がないのでスキップ機能の存在すら知らない人もいそう。
いずれにせよ、演出部分はスキップできないんだけどね…
一番の問題は「Live or Die」システム。一言で言うと時間制限付き選択肢なのだが、間違えたら霊魂の数値が減ってしまい、0になると死亡(ゲームオーバー)。選択肢によっては1つ間違えただけで0になって即死する場合も。
ノーヒントで間違えると1発死亡の3択が連続発生する場面もあり、普通に考えてかなり理不尽。直前からリスタートできるとはいえ、結局総当たりするしかないのでゲーム性は低いと言うしかない。
どう考えてもアウトな選択肢が正解の場合もあるが、引っ掛けだとしてもちょっと強引すぎる。何度も同じシーンをやり直さないといけないのはかなりウザい。
こういう作った人しか分からない系の即死トラップは「理不尽」以外の言葉しか出てこないし、ストレスにはなってもゲームを面白くする要素にはならないと思うのだが…面白かったら別に構わないが、正直つまらないと思う。
VITA版はCGの回想モード的なものがないので買うとすれば追加要素の第6章も初めから入っているPS4かSwitch版のほうがいいかもしれない(第6章はVITA版でもDLCとして配信されており現在のところは無料でダウンロードできる)。
ただし、ゲームのボリュームはかなり小さい。後日譚である第6章を入れても1日で全てクリアできるくらいの内容なので、定価で買ったらほぼ確実に後悔すると言っておこう。
ストーリーや雰囲気は良い感じだと思う。探索パートはまあまあ遊べるが、単純な内容でテンポはイマイチ。ノーヒントで即死する選択肢は理不尽でつまらないので評価を大きく下げる要因にしかならないし、グッドエンドへの分岐条件も必要以上に分かりにくくしているものがあって意地が悪い。つまらないわけではないがお金を出すなら1500円くらいまでが妥当なところかと思う。何度もやり直しを強いられる即死やり直しゲーなので、合わない人にはダメゲー・クソゲーかと思うので購入前によく検討したほうがいいだろう。
スコア:48点(100点中)判定:ダメゲー
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あくまでも個人の感想なのであしからず。